青砂ヶ浦天主堂国指定重要文化財(平成13年11月14日)
青砂ヶ浦天主堂は、奈摩湾の中腹を見下ろすように正面を西に向けて建っている。設計施工は長崎県下に数多くの教会建築を残した郷土出身の鉄川与助による。明治43年(1910年)8月に竣功し同年10月献堂式が行われた。
煉瓦造の重層屋根構造である。重層の断面形式をそのままに表す正面は、煉瓦による帯状装飾によって3分割し、薔薇窓や縦長アーチ窓によって飾られ、正面入□には台座と植物模様の柱頭飾を有する円柱で支えられた石造りアーチを持。 内部は3廊式で主廊部側廊部ともに漆喰仕上げ4分割リブヴォールト(コウモリ)天井、アーチは全てポインテットアーチで造られている。
外観内部とも全体に均整のとれた構造となっており、細部の意匠も優れている。日本人設計者の手で建設された煉瓦造教会堂の初期のもので、かつ本格的教会堂建築の基本である重層屋根構造にもとづく外観や内部空間が形成されるようになった初めての例で、この後県内の離島を中心に多数建築された煉瓦造教会堂の構造、意匠の起点となった。
この教会の建築に使用された煉瓦は佐世保より木材は平戸から石は頭ヶ島より船で運ばれ、海岸からは信徒さんのボランティアにより搬送されたようです。
正面を真西に向け春分・秋分には入り口上の丸窓大小3個の窓より夕日が祭壇の中央と人物像二人を照らすように造られているとのことです。 |