かとっぽ

 頭ヶ島教会 (かしらがしまきょうかい Kashiragashima Church)    



 頭ヶ島教会 有川地区 新上五島町友住郷頭ヶ島638
西日本で唯一、全国的にも極めて珍しい石造りの教会。島内で切り出した石を丹念に積み上げた外観は重厚感にあふれているものの、堂内は天井や壁面などに花柄の装飾が施され華やいだ雰囲気に満ちています。天井は二重の持送りによって折りあげられたハンマービーム架構。特異な外観と合わせ、わが国の教会堂建築史上例のない構造といわれています。明治43年(1910)に着工され、完成までに10年ともいわれる歳月を要したが、その間には島の信者による資金集めや労働奉仕など献身的な努力があったと伝えられています。
 頭ヶ島教会は、我が国の教会堂建築の発展に優れた功績を残した鉄川与助氏の設計・施工による西日本では唯一の、また、全国的にも珍しい切石積の石造り教会堂であり、創建時の原型が完全に保存されて現在も教会堂として使用されている。
 また、当教会は内部の空間構成を最大の特徴としており、天井は二重の持送りハンマー・ビーム架構(Hammer-Beamroof)で折りあげられている。
この種の折り上げ天井も他の教会堂建築には見られないもので、鉄川与助氏の一連の作品とは意匠的にかなり相違しており教会堂建築を完成へと導いた鉄川与助氏による新しい空間創造の記念碑的建築といえる。
また、司祭館も石造りでベランダを配する等、構造的に珍しく、当教会堂及び司祭館は、ともに我が国教会堂建築史上、他に例を見ない存在である。
平成13年11月14日 国指定重要文化財(建造物)
1919(大正8)年4月14日 落成

頭ヶ島教会(かしらがしまきょうかい)は、新上五島町友住郷頭ヶ島638にある教会堂で、ユネスコの世界遺産(文化遺産)暫定リストへ掲載が決まった「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」を構成する教会の1つです。

教会建築の特徴
1.石造教会…………………………… 地元産の砂岩で建設された石造教会である。石造りの教会は
                 北海道3ケ所、宮城、栃木、福島3県に各1ケ所、合計7ケ所のみである。
2.二重の持ち送り華構……………… 内部天井がハンマービーム方式である。内部四隅の白椿の模
                様は、椿の花を宗数的に抽象化したものである。
3.小さな母屋のみの教会……………・ 小さなネーブ(7m X15.4m=108・、32.6)の一室のみで、両側の
                廊下部分(アイル)はない。窓や入口上部は半円アーチ型である。

旺盛な宗教心
 1.五島くずれの迫害に耐える
  明治元年の五島崩れの際の飢餓、算木責めの迫害に耐えなが
  ら、宗教的指導者であるドミンゴ森松次郎を曽根に落とした。
  明治6年以降全島カトリック信者。
 2.10年間の労働奉仕と財政負担に耐える。
  明治43年から大正8年まで、教会堂建築のため努力し、信仰を
  守り通して完成した。
 3.現在12戸20人で教会堂の維持管理、美化に努めている。

頭ケ島に関係深い三人の人物
1.前田義太夫正義
  久賀島出身で安牧5年(1858)代官貞方数右衛門の許可を得て頭ケ島の開拓に乗り出す。
 兄、山ロ長十郎が有川鯨組々頭に任じられた際に有川にきた。吉十郎と称し、前田伝次郎家
 の養子となり、頭ケ島で小頭役を努めた。
2.ドミンゴ森松次郎
  1797年の大村藩キリシタンの大量移民、与重・かおの3人姉弟の一人で蛤で生活していた。
 慶応2年長崎から帰ると頭ケ島にカトリックの教会兼伝道所兼住宅の建設にとりかかり、翌3年
 3月に移住、同4年に建物(木造)が完成した。
  明治元年の迫害時には、信徒に助けられ曽根に渡り、潜伏して大浦天主堂にひそみ、プチ
 ジャン神父に随行してホンコン、マカオに渡り、後年帰国した。
3.鉄川與助(明12.1.13 − 昭51.9ご逝去97才)
  1879年鉄川與四郎の長男として出生、明治39年(1906)27歳で家督を継ぎ、土木建築
 請負業鉄川組を設立した。
  20歳のときペルー神父の指導のもと曽根に木造教会(現存せず)を建設して教会建築に感
 銘を受けた。以後、明治40年冷水天主堂で初めて設計・施工を手がけ、野首天主堂ではじ
 めてレンズを使用し、大水天主堂、頭ケ島天主堂ではハンマービームの新しい工法を取り入
 れた。このように與助は九州各地に30余りの教会堂を設計施工したが、どれも同じものはあ
 りませんでした。
  青砂ケ浦教会、頭ケ島教会の二つが国の重要文化財に指定されたが、昭和42年秋、動五
 等瑞宝章を贈られており、日本建築学会終身会員でもある。

大正八年コンパス司教献堂
頭ケ島天主堂
平成1311月14日重文指定

灯台の聖母修道院付属

天井等の花の花言葉
ハマギク,はまぎく(浜菊) 「逆境に立ち向かう」
ハマユウ,はまゆう(浜木綿) 「どこか遠くへ」「汚れがない」
ツバキ,つばき(椿)「理想の愛」「謙遜」
       (赤)「控えめな愛」「気取らない美しさ」
       (白)申し分のない愛らしさ」「理想的な愛情」「冷ややかな美しさ」
ユリ,ゆり(百合) 「威厳」「純潔」「無垢」

五島へ五島へと皆行きたがる
五島はやさしや土地までも
五島へ五島へと皆行きたがる
五島は田舎のエリを見る

五島は極楽行ってみて
地獄よ 地獄よ
二度と行くまい五島の島へ

簡単な歴史 
安政6年(1859年) 迫害を逃れてあいついで住み着いた
安政6年(1859年)10月 無人島であった頭島に鯛之浦のキリシタンが迫害を逃れて移住してきた
慶応3年(1867年)4月 ドミンゴ森松次郎はこの地に聖堂を兼ねた伝道士養成所を落成
明治元年(1868年) 末には迫害が起こり、一時監禁所となる
明治3年 ドミンゴ松次郎が、長崎にてプチジャン師の教えを受けて島に帰り、住家を青年伝導士養成所とし、仮聖堂を置いた
明治6年(1873年) 禁教令が解かれた
明治20年(1887年) 最初の教会を建設
明治41年(1908年) 頃 主任司祭ヨゼフ大崎師は新聖堂建設に着工
明治43年(1910年) 着工
大正6年(1917年) ロマネスク様式の石造り天主堂が完成
大正8年(1919年)4月14日 落成、 コンバス司教によって祝別
昭和52年(1977年)9月 主任司祭ミカエル道向師の指導のもとに、信徒一戸に付30萬圓の献金と内外の奇特者の御協力によって修復完成
平成13年(2001年)11月14日 国指定重要文化財(建造物)
平成15年(2003年)12月25日 境内地が重要文化財に追加指定

二重の持送りハンマー・ビーム架構天井の教会内部

後方から こちらからのスナップも素晴らしい

近くにあるキリシタン墓地 咲いてる花はマツバギクです

頭ヶ島教会堂の案内板  拡大

重要文化財指定書  拡大

訪問記念スタンプ  拡大

訪問記念スタンプ  拡大

2001年7月14日撮影 鐘楼の屋根が古いものです  拡大

こちらは新しい鐘楼です  拡大

手前の道路より  拡大

生け垣の端より  拡大

司祭館後方より  拡大

鐘塔の鐘の高さより  拡大

司祭館後方よりの全体  拡大

門柱と欄干  拡大

内部全体 左側隅より  拡大

内部全体 2階より  拡大

告白場  拡大

祭壇を右側から  拡大

左側ヨゼフとキリスト像  拡大

右側のマリア像  拡大

祭壇の聖櫃のカーテンは緑色  拡大

こちらは紫色  拡大

赤色  拡大

白色  拡大

柱頭 見事な装飾  拡大

お祈り中におじゃましました  拡大

十字架の道行き  拡大

祭壇の壁に後方よりの窓の光が・・・  拡大

天井・屋根を支える柱です  拡大

聖体ランプ  拡大

献金箱 (奉納と書かれています)  拡大

聖水 入れ  拡大

天井や壁の装飾 花等は五島に咲く花  拡大

天井 真上の花 またはバラ  拡大

天井 浜木綿またはユリ  拡大

壁の隅には 百合もしくはバラ  拡大

こちらは 開いた椿バラ  拡大

柱の途中 筒状の椿  拡大

横の壁のステンドグラス  拡大

窓を開いて石垣を望む  拡大

入り口の扉の上の窓  拡大

2階の円形窓(薔薇窓)  拡大

後方を望む  拡大

室内を暗くしたら窓が幻想的に  拡大

結露や水が侵入したときの水抜き 拡大

水はここから排出されます  拡大

窓を外側から見たところ  拡大

入り口右側の壁と窓  拡大

入り口の上のアーチ  拡大

2階の丸窓(薔薇窓)  拡大

入り口の石の階段  拡大

壁の石に数字  拡大

教会本体と石垣  拡大

石垣 小さな石を組み込んでいます  拡大

瓦と雨どいの部分  拡大

6角形のドーム  拡大

右後方の山より  拡大

真後ろの山より (海が見えます)  拡大

空港線の道路より  拡大

後方からの教会も良いですね  拡大

後方(祭壇側)の壁 窓の後が・・・?  拡大

教会へ下る途中の道路より  拡大

教会へ下る途中の道路より  拡大

教会へ下る途中の道路より  拡大

教会へ下る途中の道路より  拡大

白浜海水浴場と教会  拡大

鐘楼  拡大

ブレル師同伴信徒殉教者記念の塔  拡大

キリシタン拷問五六石之塔  拡大

殉教者記念の塔  拡大

島の聖母像  拡大

床下を覗いてみました  拡大

森松次郎翁居館の跡  拡大

後方の石垣と壁  拡大

鐘突き塔よりの司祭館  拡大

後方よりベランダ入り口を望む  拡大

石の階段とベランダ  拡大

下の道路より司祭館と石垣  拡大

キリシタン墓地 全景  拡大

キリシタン墓地 花は『マツバギク』  拡大

墓地より教会を望む  拡大

白浜遺跡  拡大

トイレです  拡大

県道空港線の道路標示  拡大

頭ヶ島教会バス停  拡大

バス停に停車中のバス  拡大

頭ヶ島バス停  拡大

頭ヶ島大橋  拡大

上五島空港ターミナル  拡大

上五島空港全景  拡大

五島・マリンピア・ありかわ観光マップ  拡大

頭ヶ島教会沿革  拡大

 五島キリシタン信仰復活のしおり  拡大

ブレール師信徒同伴殉教のしおり  拡大

 頭ヶ島伝道師養成所跡  拡大

 白浜遺跡  拡大